Ryan A Bruss (ライアン・ A. ブラス) フォトグラファー略歴
1979年6月7日、アメリカ合衆国オレゴン州ポートランド生まれ。ブラス氏は認知言語学で修士号を有し、現在は東京の明 治学院大学にてクリエイティブ・ライティングおよび言語学で教鞭をとっている。日本在住歴15年以上のブラス氏は、大学 教授としてだけでなく、プロのフォトグラファーとしても活躍している。フォトグラファーとしては、ラルフローレン、メルセデス ベンツ、ヴォーグといった著名なクライアントを抱えている。彼の学術的な専門分野である概念メタファー理論を教授としての研究分野だけでなく写真の領域においても活用し、言語と映像を通して日本文化についての研究を重ねている。
ブラス氏は学術的な仕事においては、認知言語学の理論を日本語独特の構造に当てはめ日本語におけるメタファー(比 喩)を中心に研究をしている。修士号の論文である”Amae and the Gendered Identity of Cute: Framing Young Women as Sweet in the Japanese Mass Media”(「甘えと可愛いの性的アイデンティティ:日本のマスメディアが若い女性をスイートとい う枠組みに落とし込んでいる」)は、出版され、数ヶ国語に翻訳されている。この研究は漢字の「甘」に焦点を当て、この概 念の認知的構造を使い、日本での「キュート」、「可愛い」について解説、解釈をしている。ブラス氏は英語教育に用いられ る認知言語学理論を昇華させた独自の理論を、彼自身の日本文化と日本語、特に漢字の研究に応用している。
近年では、日本語のメタファーの研究を「自己」、特に「内/外」に当てはめ、イタリアのアート雑誌の『Graphie(グラフィエ)』 に記事が掲載され、また”Shadows of Japanese Moss Gardens: Uchi Soto Cognitive Resonance”(「日本の苔庭の影:内と外 の認知的共鳴音」)というテーマで撮影した作品群での展覧会をイタリアのチェゼーナにあるギャラリーのIl Vicolo(イル・ ヴィコロ)で行った。この展覧会では、日本における「自己」という概念を表現しているものとして日本庭園に焦点を当ててい る。
フォトグラファーとしては、光の淵に焦点を置いている。プロのフォトグラファーとして日本で15年の経験を有し、ソニーなど のトップブランド、アラン・ウォーカーをはじめとしたトップアーティスト、コシノジュンコなどのファッションアイコンの撮影にも 従事している。東京を拠点としていながらも、独特なスタイルによって、国内外のクライアントからの依頼を受けている。また ビデオグラファーとしては、アンドレア・ポンピリ氏と共同制作したドキュメンタリー “Tokyo Toilets”(「東京のトイレ事情」)は、 2021年ミラノデザインフィルムフェスティバルをはじめ6つの映画祭に選出された。